意外と泣ける?「永遠のはじめ~会津酒造物語~」

この作品は画に惹かれて読み始めましたが、こんなにも引き込まれるとは思いもしませんでした。引き込まれるというと良い印象を与えてしまうかもしれません。こんなにも主人公が悲惨で可哀想なストーリーとは思わなかったのです。

1.酒造りよりも夫婦愛、夫婦愛よりも妻愛

 

タイトルを見て、お酒造りをテーマとした作品なのかなと思いましたが違いました。お酒造りの部分も詳細に描いてはいますが、この作品は激動の時代に精一杯夫のために生きた女性を描いた話であり、テーマは夫婦愛です。しかも、どちらかというと妻の献身的な愛といった方が近いでしょうか。主人公のやりすぎなまでの愛、痛々しさしか感じない愛にもうやめたらいいのにと思ったほどです。そして個人的には今の時代にここまでの夫婦愛はないなと思いました。昭和初期の戦時中の設定であるから読み続けられたのだと思います。しかも、その時代だからこそ読んでいて思わず涙していたのだと思います。

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2.不幸不幸、そのまた不幸の先にあるものは?

農大醸造科の学生の「佐倉ほまれ」は杜氏(とうじ)を目指す女の子。この女の子の祖母である「登和(とわ)」の危篤を知らされて、登和を一生を回想していくところから始まります。

昭和7年の会津に仲の良い幼馴染みの男の子と女の子がいます。男の子は会津一の酒蔵の跡取り息子、女の子は農家の子という身分の差はありますが、とても仲の良い二人なのです。この二人が親の反対を押し切り晴れて結婚します。登和は三三九度の杯で夫がしぼった酒を飲み、その美味しさに心を奪われて酒造を学び、立派な杜氏となった夫を不器用ながらも真面目に明るく一生懸命に支えます。

そんな幸せな時も束の間、最初の悲劇が訪れます。この最初の悲劇によって全てが負の方向へ向かっていくのです。姑から早く早くと急かされていた子宝にやっと恵まれたにも関わらず、夫のことを密かに好いていた女中の画策により子供は流れてしまいます。そして、子が流れたときに踏み入れた女人禁制の酒蔵にいたことで姑からはいっそうのイビりという名のいじめにあいます。「性悪」「疫病神」とも言われ、罵られる場面は読んでいて辛くなりました。この姑が怖いのなんの、ホラーですよ。また、女人禁制の酒造に入ったことで、不幸が続き一気に人生のどん底まで落ちるのです。

不幸の連鎖はまだまだ序盤、夫は太平洋戦争へ召集されます。出征直前に夫から麹(こうじ)菌の振りかけ方を教わった登和は夫の替わりに精一杯酒造を守ろうとします。戦地の沖縄で夫は薩摩出身の兵士と出会います。犬猿の仲である会津と薩摩、薩摩兵から酒を勧められますが、飲まずに罵声を浴びせてけんかになります。けんかの懲罰として二人で塹壕堀りすることになりますが、この作業を通して心を許す仲になっていきます。ところが、米軍の砲撃にあい薩摩兵は重傷を負ってしまします。頭に菌が入り幻覚症状からお母さんを呼び叫んでいる場面は戦争の悲惨さが伝わるシーンでした。そして、薩摩兵は亡くなってしまいますが、最後に「会津の酒」を渡して飲んだときに薩摩兵が覚醒するのですが、ここは本当に泣けます。

戦争が終わり、登和の元には夫の戦死の知らせが届きます。そして姑は認知症に・・・。まさに不幸続きと思いますよね。まだまこの先の不幸も相当なものです。実は夫は生きていたものの目を負傷して盲目になり、さらに人生を悲観する世捨て人状態に。それでも献身的に支えようとする登和ですが、夫は別の女のもとへ行ってしまいます。この女というのが、登和を流産に追いやった女中をしていた女なのです。女の妬みと執着は本当に怖いですね。しかし、この女さらにひどい奴で、子供を身ごもりますが生んで逃げます。子供は登和が育てるのですが、この女の都合で数年後に連れ去られます。私が一番泣いた場面が子供を連れ去るときに腕を引っ張るところです。

登和も引っ張るのですが、子供が痛がり話してしまうのです。母親の愛に涙しました。人生のほとんどが不幸に思える登和ですが、持ち前の明るさと、会津人の強さで乗り越えて、最終的には夫と寄り添い、孫にも愛されて晩年を過ごします。最後のシーンも登和らしい最後となります。

涙なくては見れない作品ですが、読み終わったあとに何故か人に優しくしようと思えるようになる不思議な作品でした。

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