「謝男」が見せた土下座の世界!

1.「謝男」と書いて「シャーマン」と読む

この作品は主人公「謝男(シャーマン)」が土下座をすることで、さまざまなトラブルを解決していく、そんな妙な作品です。読むと多くの人が感じると思いますが、画からも分かる通り非常にシュールで意味不明な作品なのです。その意味不明さが実に面白く、なぜか読み続けてしまいます。

 

ストーリーは治ヶ浦高校に赴任してきた新任教師「拝 一穴(おがみ いっけつ)」が着任するところから始まります。端正な顔立ちと鋭い眼差しからは想像もつかない人物なのです。
着任挨拶で、早々の土下座。

わたしを援助(たす)けてください

なぜ、土下座?そう思いませんか。しかし、土下座の世界観はすでに始まっているのです。ここから続く「なぜ?」という疑問が笑えるようになってくるのが不思議です。

この初めの展開に驚くのは土下座を受けた全校生徒も同様。生徒たちは騒然とし、驚きと興奮から歓声が沸くのです。大の大人が、しかも教師が両手を付いて頭を下げた姿に、日々の抑えられてきた不満から解放されたかのように何かが吹っ飛んで全生徒に「気持ちの良い居心地の良さ」を最初の土下座で与えるのです。

土下座はさらに続きます。生徒に向かって土下座した後、国旗に向かいまた土下座。

はい、これもなぜ?ですよね。

君たちの未来、君たちの先行き、君たちの人生、価値のあるものにするために、そして幸多きものとするために、祖国へ祈願したい

そう言って国旗に土下座をした時に超常現象が起きます。生徒全員が誰かに背中を押されたかのように前のめりに倒れ、全生徒が土下座する形になるのです。シャーマンは生徒の方を見ると、その怪現象をあらかじめ知っていたような、悟っていたような顔でほほ笑みます。

生徒はこの怪現象もシャーマンの後押しと受け取り、心強い気持ちの良いものになるのです。自己紹介が強烈ですが、土下座を持って人を気持ちよくさせるというのはすごいですね。そしてこの怪奇現象、シャーマンと作者が名付けた意味が分かります。シャーマン=祈祷師・拝む人がテーマの土下座の世界観なのです。

「謝男」と書きますが、謝る土下座よりも「シャーマン」と読む、拝む土下座です。そして拝むことで人に「気持ち良さ」を与える、それがこの作品で表現する土下座です。

ここまでが始まり。その後のストーリーは、

・頭が悪く、容姿も悪い残念な生徒が自分の人生を悲観したときに、シャーマンが心からの土下座で今後の未来を祈願する。

・必ず毎日1分遅刻していまうやる気のない生徒に、どんなことがあろうと必ず1分しか遅刻しない姿に感服して土下座をしてやる気を奮い立たせる。

・煙草を吸うことで自分を鼓舞する生徒に、禁煙を促すのではなく喫煙の痕跡を抹消するよう懇願するために土下座をし、禁煙をさせる。

・どうしてもおもらしをしてしまう生徒に対しては、シャーマンが教壇でおもらしをして自らほかの生徒たちの笑いの標的になるが、その生徒に対して「スーパーおむつ」を作ってほしいと懇願する。その生徒はその後おむつ会社を1代で築いた社長となる。

・他にも登校拒否を続けている生徒、恋をしている生徒、勉強をする気がなくなってしまった生徒、霊が憑依した生徒、友達にパシリにされる生徒と様々な生徒の思春期の悩みに土下座で解決していきます。

土下座という手法でここまでストーリーができるのはすごいと思う反面、はやり意味不明な感はあります。しかし、グッとくる巻もありました。個人的には、必ず1分遅刻してしまう生徒とおもらしをしてしまう生徒の巻が好きです。

そして、好きなシーンもあります。勉強をする気がなくなってしまった生徒の巻の以下のセリフ。

“己の知る知識 学問を伝えるだけなら子供にだってできる”

“教師の務めとはただ一つ”

“学ぶって実はオモシロイ”

“知る喜びを伝える”

ことなのだそうです。なんか名言な感じですよね。

意味不明な内容でも面白く、続けてみてしまう「謝男」です。

あと、こちらの作品は少々お下品な表現があります。女性には嫌悪感を与える可能性もあるのかなと思いました。ただ、土下座をテーマとして、ここまでよくストーリーができたなと思ってしまう突飛なストーリーと突飛な展開に続巻を希望するファンは多いのではないでしょうか。

2.土下座を題材とした作品たち「パクリ?」

土下座をテーマとした作品に映画「謝罪の大様」、漫画「どげせん」があります。「パクリ」問題に発展したのも同様の土下座がテーマとなっていたからでしょうあ。ただし、それぞれの作品で土下座の世界観が違います。謝罪のための手段として使っている土下座、相手に有無を言わせない攻めるための土下座、神業のような拝みのための土下座とそれぞれですから、違う土下座観を楽しめるのではないでしょうか。

日本独特の「土下座」です。日本人の様々な土下座観があるのですね。

なお、「謝男」はマンガKINGで全巻無料で見ることができます。1つのストーリーが読み切りなので空いた時間に読みやすいです。ぜひ皆さんもこの土下座の世界観に入ってみてはいかがでしょうか。

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